【アウディ Q3 】
そのネーミングからも想像できるように『Q3』は『A3』をベースとした「Qシリーズ」、つまりSUVモデルだ。
日本に導入されるQ3には150馬力の1.4リットルエンジンと、180馬力と220馬力の2種の2リットルエンジンの計3種のエンジンが用意されている。1.4リットルはFF、2リットルはいずれのエンジンもクワトロと呼ばれる4WDを採用している。また、さらにその上には『RS Q3』の名を与えられた2.5リットル/340馬力のモンスターマシンもある。
試乗車となったのは180馬力のエンジンを搭載するQ3 2.0TFSI クワトロ、180ps。Q3はほかのアウディ同様にプレミアムブランドとしての魅力を高めたモデルだ。乗り込んだ瞬間から国産のSUVとは異なる世界に誘い込んでくれる。それは見た目だけでなく、手に触れるものすべての質感までも含めて、かなり高級感にあふれている。
走りに関してはプレミアムモデルらしい落ち着いた動きが魅力といえる。走り出すとまず静粛性の高さに驚かされる。試乗日は雨が降っていてかなり条件が悪かったのだが、それでも「このクルマ静かだな」と感じさせてくれる。しかしその本質はスポーティそのもの。最大トルクを1400回転で発生させるエンジンは、かなり力強い印象。組み合わされるミッションがツインクラッチ式のATということもあり、アクセル操作に対するクルマの動きはダイレクトだ。
足まわりも引き締まった印象が強い。試乗車は235/50R18サイズのタイヤとスポーツサスペションなどが装備される「Sラインパッケージ」が装着されているため、なおさらスポーティな印象。だからといって固くていやになってしまうというタイプではなく、しっかりダンピングしていて乗り心地もしっかり確保している。
クルマの大きさやエンジンの排気量でライバルを設定したら、このQ3はとんでもなく高い位置にいる。今回の試乗車はオプションのない状態で車両本体価格が469万円、オプションカラー、Sラインパッケージ(スポーツ&ドレスアップパーツ)、ナビ、LEDパッケージ、アシスタンスパッケージ(クルーズコントロール、車線逸脱防止システム、ハイビームコントロール)のオプションが付いた状態で593万円。BMWなら『3シリーズ』、ベンツなら『Cクラス』、レクサスだと『HS』や『IS』あたりの価格帯となる。
プレミアムカーに乗りたい、それもコンパクトで、なおかつちょっと特徴的なクルマが欲しい…といった願望があれば、Q3はベストな1台となるだろう。
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